IKIGAI/生き甲斐(1)

目先のお金?

先に別記事
「そんなにお金を気にして、もっと外出して人生楽しむべきよ」
と、こちらの友達に言われた事から、日本人とメキシコ人のお金に関する考え方を少し書きました。

同時に思い浮かんだのが、”生き甲斐”と言う言葉。
最近海外でもそのままで通じるようで英語やスペイン語の記事でも目にします。
当たり前のように母国語で使っていたわけですが、改めて考えると生き甲斐ってなんだ?と。

上記の友達の言葉を聞いた時に、今度はお金ではなく、人生観から思った事を徒然と覚書しておきます。

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友人A
彼は、大手石油会社の契約社員で、必要な時だけ呼ばれて2-3週間ほど他州の油田プラットホームで働く生活をしています。
本人曰く、この仕事は嫌いだけど、親は同社で安定した正社員を勧めているとの事。
大学はエンジニア専攻だったそうです。

油田から帰ってくると、合間を縫って色々な事に手を出しています。
サルサソース販売、保険の外交員、最近はバーティープランナーの助手(家具や備品準備)です。
どれも半年以上続きません。
現在の医療保険は彼経由で契約しましたが、営業としては… 恐らく扱っているものを単に”収入手段”として見ているだけなのか優秀な印象は無い。

先日お茶した時は、パーティー会場のテーブルや椅子を貸すレンタル業者になりたいと言っていました。
彼の部屋のインテリアはとてもセンスが良く、傍目に見ても彼のセンスの良さを生かせて合っている気がしました。

以来、既に3ヶ月が経ちましたが、準備は一切していないとの事です。
どうも目先のお金になるものに飛びついてしまう傾向がある印象。
家具レンタルは、最初に商品への投資が大きいです。

全くの無職の時は「仕事しないとお金が無い」とは言うも、聞くと履歴書を送ったりはしていないよう。
油田もお父様のコネで、弟も同じ生活をしています。
これまで手を出した仕事も全て友達の手伝いから始まったもので、履歴書を送ってと言うパターンではありません。

そんな彼は、無職でも誘えばまず遊んでくれる人。
冒頭の言葉を放った彼は、冒頭の言葉を体現している人です。

友人B
英語を話せるオートエンジニアとして友達に紹介された知人B。
以前の勤務先で、社用車の整備を任せていました。社長の自家用車なので、不備があれば英語で直接説明できる方が確実なので、彼のサービスを重宝していました。

彼の話す英語がまたラテン訛りがなく綺麗で、アメリカに数年住み、エンジニアをしていたとの事でした。

特に顔を合わせることもなく半年以上経ったある日、私の車の整備をお願いしようと連絡しました。
すると「もう車は診てないんだ」と言います。
聞くと「とある工場で、食堂設備の管理を任されてる。部長なんだよ、収入も良いしね」とまぁ嬉しそうに聞いていない役職や収入の話まで。

初めて会った時は「自営で好きな車の整備が出来て満足」と言っていたのに。

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働いても納税しても、目に見えない使い道

2例挙げたところでメキシコ人が全員こうだとは言えませんが、大多数がこんな感じで仕事を選んでる印象はあります。

労働環境的に仕方ないのかなと。
例えば、給与税が高いので非正規雇用の需要と供給が高い。
友達Aは油田の仕事以外、全て現金払いの非正規雇用仕事です。その方が手取りが多く残るので。
彼以外にも私の周りで現金払いの仕事をしている友達はかなりいます。

基本的にメキシコでは、仕事で言えば、国税庁のシステムを通してFactura(ファクトゥーラ)(電子請求書)を顧客に発行し、報酬をもらう事が基本です。
フリーランスになる時に、周りには友人Aのスタイルや副業で小さな仕事をしている人が多かったので、納税の方法など簡単に質問するも、答えがありませんでした。
つまり、みんな口頭と現金のビジネス。
逆に「外国人が納税のためにきちんとステップを踏んでいるなんて」と感心されました。

確かに過去5年強、一向に無くならない舗装道路の大穴、街の中心の無灯信号機… 納税は無駄金だろうと思う事の方が強い。
でも私の場合、この手のことはきちんとしないと気が済まない性格でもある… 意外に。

ただメキシコ人の言い分も分かる。
現金ビジネスがまかり通っていたとしても、消費税だって16%、人口からして結構な税金収入があるはずなのに国の発展が比例してる気がしない。
毎年帰国する度に言われる「メキシコ、急成長中だよね」… 「いや、そうでもないよ」と言うのが私の回答。

この現金ビジネスは目に見える雇用関係が証拠で残らないから、継続的な収入源になりにくいようです。
雇用側も簡単に関係を切れるし、日雇用側も気に入らなければ同じ。

つづく

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