フリーランス、「ご縁が全て」は過言じゃない。

初日は何回目でもド緊張

2018年4月にフリーランス宣言をしてから、エージェンシーも分野も違ういくつかの通訳案件に就きましたが、私は本当に就業先でお世話になる人に恵まれています。

商談やセミナー、工場 etc… どれも楽しかったなぁ。

スペイン語の高等教育などは受けていませんが、2013 に渡墨後、正社員として2社の工場の立上げや社内のアドミ、新車が出る際のプロジェクトを担当し、管理職もしていて、どちらの職場も現場の日本人は自分一人という状況だったので、メキシコでこの業界の製造現場とアドミの流れに関して知識は相当蓄えました。
日本でも10年以上黙々と社会人していたので、そこからくる知識と経験も糧です☻

職歴からの私感では、通訳の際に語彙だけでは何ともならないことが結構あり、逆に言語以外の経験の応用が役立つことが多かったので、スペイン語がペラッペラでも業界経験が全くのゼロだったとしたら、フリーランスになる度胸はなかっただろうなとよく思います。
できないことはないだろうけど、時折見せる実直な性格が、お金を頂くことに引目を感じさせると想像がつく☺︎

通訳の際に最も苦労するのは、技術用語や業界用語です。
大学の専攻はカナダ史、中高と普通学科、技術の技の字もかすらん人生です。
趣味は料理・食べる事・旅・映画・読書と、どこを取っても文系一色。

だから、初日はいつもド緊張。
「外国語が話せる=何を振っても大丈夫」と一般的に思われることが多く、初日に朝礼で現場の方に自己紹介をし、そこから「では朝礼を通訳願います」パターン、私は“通訳あるある”と思ってます。

「意味わからなくても直訳で良いから」と言って頂けることがほとんどですが、母国語の日本語でも例えば入社初日に朝礼で日報の内容をいきなり理解することは難しいわけで、それが外国語であれば難易度はグンと上がります。
そのまま朝イチの会議通訳なんていうのもあります。

経験のない生産技術用語だったりすると、もう手汗ハンパないです☹ 

解説上手に恵まれる

振り返ると、フリーランスになる前の社会人時代からどこでも必ず分かりやすい説明で導いてくれる人に恵まれていました。
本当に皆さん頭のキれる方ばかりで、貴重な時間を割いて図面の読み方から技術指導などとても効率よく教えてくれるわけです。
偶然なのか特徴なのか皆さん図解仕立てて説明がとても分かり易くて。
私も新しいことを知るのが大好きなので、途中から通訳の補助知識の域を出て材料や工程に関して質問攻めにし脱線しがちなのですが☺︎

これはあくまでも私観ですが、こうした脱線も知れば知るほど通訳の質が上がります。もちろん、時給で契約しているので脱線し過ぎて通訳を怠らないことが前提です。

この解説上手さんに恵まれることで、ボキャブラリーや現場知識が増えると、それは間違いなく訳文に好影響を与えます。
初日のド緊張で、言わばオイル不足の歯車がきしむような訳文だったのが、日数を追うごとに潤滑油が足され滑らかな訳文になる感覚というか。

自分で気づくと共に、お客様にもそれは伝わるようです。
つまりパフォーマンスが上がっていく、と。

ご指名?いやご縁です。

パフォーマンスが上がると信用と評価も上がるわけで、クライアント様が同業他社さんへ訪問に行ったり、取引先同志で集まりがあった際に、例えば「通訳が必要」と言った話題が上がると好意から私を推薦してくれたりします(「紹介しちゃったけど、いいよね」と事後報告)。

エージェンシー経由で受けた仕事先で、自分からその周辺に積極的に営業をかけるのは、不文律というか自身のモラルの観点からしません。
クライアント様がご自身を支点にして好意で他者様へ薦めて下さるのは、私が何かを働きかけたわけではないので、事後報告の際は「ありがとうございます!」です。

ちなみに、一度エージェンシーで入った企業様によく「次回からは直契約を」と持ちかけられますが(エージェンシーへの手数料削減)、これはキッパリお断りしています。
エージェンシーの営業がなければ、私とその企業間に縁は無かったわけで、そこは超えては行けないマナーかと。

こうした経路で、別の企業様から声がかかったり、エージェンシー経由の企業様でもまた同じエージェンシー経由で声がかかることがあります。

だから、どんな小さな依頼でも一度内容に同意して契約に至った際には全力で取り組みます。少なくとも内容に同意したから契約に至ったので、著しく実務と違わない限りそうあるべきだと。
ま、言葉では簡単だけど、これって実行するのは結構難しい。
現に私も、頭では分かっていても、愚痴ることもあるし「聞いてないよ〜」なんてこともよくある。
でも、心掛けがあるのとないのは違うと信じてます。

通訳実務のみならず、一度契約時間に立ったならその時間内でこなすことは常に全力でと思っていて。
なので、日本企業間で恒例の朝のラジオ体操さえ手を抜かない、朝から私かなりピョンピョンしてます♪

なんなら「目の前のことに全力で取り組んでいると、縁が円になって繋がるんだな」なんてポエマーみたいなこと発しちゃったりして。
でも、フリーランスになってから、通訳に限らず翻訳も、本当にそう思うことが多い。

全力は、ご縁につながる。

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