メキシコへ旅立つ:「入国拒否の可能性があります」(2)・完

良い旅を!

メキシコシティに到着し、入国手続きの列に並びました。

Buenas Tardes(ブエナス・タルデス)(こんにちは)、スペイン語分かる?」

「はい、少しなら」

「メキシコは初めて?」

「いいえ、昔シティで語学学校に通って他の州を旅して、半年くらい過ごしました」

「だからスペイン語話すんだ。メキシコ好き?」

「ええ」

「はい、パスポート。ようこそ、メキシコへ。良い旅を!

あら、無事入国完了(笑)

超小型な乗継ぎ便で最終目的地へ

そのまま乗継ぎ便の搭乗口へ向かい、驚きました。
今まで飛行場で乗ったことのないミニサイズ。私が住む街は、そんなに片田舎なの!?

恐らく50人も乗れないサイズではなかったかしら。
私は窓際1列の一番前の席でした。
フライトアテンダントがやって来て
「あなた、日本人ね。名前見てそう思ったのよ。私日本人とアメリカ人のハーフなの。日本語は話せないんだけど」と。
彼女が約1時間のフライトの話し相手でした。

最終目的地へようやく辿り着き、タクシー配車カウンターを見つけ受付のお姉さんに
「2つ住所を貰ってるけど、どちらが住居なのか何回聞いても説明がなくて…どっちが住宅地っぽいか分かります?」
と聞くと
「前者は工業団地ね、後者が住宅地の住所よ。ここへ送るよう手配するわ」

腰掛けて運転手を待っていると後ろから聞き覚えのある声が
「Hi、Glad that you have arrived(着いて良かった)!」
… 社長夫婦でした。

「あれ、空港まで来たの?何も言われなかったから『自力で家に行け』ってことかとタクシー手配して待ってるとこ。てっきり明日あたり住居に来るのかくらいに思ってた」
と伝えると、奥さんの形相が変わり社長に向かって
「あなた、『迎えに来る』って伝えてなかったの?」とご立腹気味。

社長は
「だって、普通出張者は自力で滞在先に行こうなんて思わないし、迎えを空港で待つのが当然だから」

住所貰ったけど何も指示は無かったし、自分で行けってことかと… と私は何の違和感もなく思い込んでいました。元バックパッカーなので住所があれば自力で到着がデフォルトなんだな。
スペイン語がまだタドタドしい私に変わって、彼女が配車カウンターへ返金をしに行ってくれました。

「まずは荷物を置きに行こう。今、人事部長がこれから住む家の引き渡し手続きしてるから」

「え、今日、今、夜?」
なんてドタバタなんだ。もう準備してあるんじゃないのか?今から契約するのか⁉

とりあえず目的地には着いたけど、この上なく襲ってくる先行き不安感。

【”寮生活“にその後のお話があります】

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