メキシコで初めての年次確定申告(2)
事前の用意
私の状況:
(1). 収入源は一つ
(2). 自身で医療保険に加入
(3). 医者にかかった領収書を持っている
(4). 自己購入の家は持っていない
一番シンプルなパターンだと思います。
申告したいものは基本的に
– Factura(電子請求書/領収書)が発行されている
– カード払い(銀行の記録に残る方法)で支払われている
が伴っている事が必要です。
2万ペソまでなら現金払いFactura無しも申請できますけど、それはまた細かい話です。
このFacturaはPDFとXMLのフォーマットでセットで発行されます。PDFはXMLの内容を可視化したもので、国税庁のシステムには一見コードの羅列に見えるXML形式で発行されていることが大事です。
PDF版だけを見せたところで効力はありません。
Facturaが必要な時は、レストランや病院では自分のE-Mailアドレスを残します。
スーパーのようなチェーン店では、レシートをもとに店のHPにアクセスして取得します。
シンプルな理屈で経理専門でない私でも分かり易いのですが、会社勤めの頃たまに現地の下請け会社の経理とやり取りをしていて、”PDFがあれば良い”という解釈の現地人経理がが居て驚きました。
今はすっかり浸透しているようですが、「なぜ外国人で経理畑でもない私が…」と思いながらよく説明したものです。
この後の(3)にも掛かる事ですが、町のお医者さんレベルだとFactura発行に対応しない病院が多いです。
総合病院や町医者でも少々診療代が張るところだと、やっと対応してくれます。
理由は会計士達と同じ脱税かな。
…この辺はエンドレスに話せますが、あまり時間を割くと血圧あがりそうなのでこの辺で。
(1). 収入源は一つ
私の状況から、ひとつひとつ確認です。
2017年は9月で勤め先を退職した後は仕事を一切していないので、還付金はほぼ間違いないわけです。
また、申告年の給与明細もFactura形式で必要です。
2014年(だったかな)からFacturaと同じ形式で発行されることが義務付けられていますから、必ず手元に持っておく必要があります。
余談
日系企業にはまず無いとは思いますが、明細のFactura(PDFとXML)で発行できないという会社は何かごまかしている可能性が高いので、就職活動の際には気をつけましょう。
PDF版だけを明細に貰っても、PDFは加工出来ますから、XMLでもらう事が大事です。
日系企業で採用担当をされている方は、前職の給与の領収書をXMLでもらいましょう。
住宅購入補助や担当する業務によって、諸々の%度が変わります。
社内経理や委託会計士に、明細をとって一度総額を始めその他確認の計算をさせると確実です。
(2). 自身で医療保険に加入
メキシコはアメリカ同様に会社がIMMS(メキシコ版国保)とは別に個人医療保険をサポートするのが慣習なので、駐在員や現地社員が本来気にすることはあまりないポイントだと思います。
しかし、私がいた会社にはIMMS以外保険はありませんでした。社長も最初の面接で「加入する気はない」と明言していました。
小さい会社だし、私も日本で個人契約している医療保険が効くので焦ってはいませんでしたが、今思うと外国で日本のやり方を、命がかかわることに通すのはどうなんでしょう?とは思います。
それでも現地スタッフが増えるに従い、不満で上がっていたので「メキシコでは慣習ですよ」とたまに社長に言及していました。
医療費の高さも周りを見て知っていたので、私も”現地で緊急用に持っといた方が良いな”と思い始めていました。
やっと興味を持ってくれたようですが「掛けるなら日本人だけ(日系保険会社)」「健康診断もつけよう、日本人だけ」という事でした。
駐在員の優遇など理解出来ますし、私も恩恵に預かった事はあり配慮に感謝しています。
しかし今回は就業環境として社員に差をつける項目にするのは如何なものかと思いました。
社長の決めた事を翻すには、時間と労力がかかるのは熟知しています。
こういう事って”まさに今、準備万端”の前に事故が起きたりするんですよね。
現地スタッフを見捨てるようで心が痛みましたが、思い立ったが即日、私は個人で加入しました。
【つづく】