アンハッピー・バレンタイン
負の連鎖① 交通事故
あれは2月14日、高校1年生だったその日の朝、車と衝突事故。
明らかに私の前方不注意だった。大事故ではなく、もちろん命に別状は無し。
更に不幸中の幸いか、事故現場は市民病院の前。緊急口から徒歩で受付に行きました。
私:事故に遭いました。
看護師: どなたが?
私: 私です。
看護師: ここまではどうやって?
私: 徒歩で。目の前で事故ったので。
頭のタンコブを少し確認するとニコッと「通常口から入って呼ばれるまでお待ち下さい」と言い、私は指示に従いました。
待つ間に両親と高校の担任に連絡、間もなく3人とも病院に来てくれました。
レントゲン用の頭部固定型に入らないほど邪魔に膨らんだタンコブを除けば至って健康にしか見えない私に3人とも「無事で何よりだけど、毎朝ギリギリ投稿するから自業自得」と。
午後から登校すると友達も同じ反応。そしてほぼ全員が言った、
「しかしバレンタインに事故とは… 持ってるね(笑)」
負の連鎖② 国際線 寝坊で搭乗を逃す
大学2年生の春休みを使って東南アジアを旅し、早朝にカンボジアへ発つという日の朝、バンコクで目が覚めた私は青ざめました。
「え、朝?夜?朝?乗り遅れたっ!?」
目覚ましが差していた時刻はカンボジアに着く時刻でした。
安宿の受付に言うと「とにかく航空会社に電話してみろ」と言う。
ここには書けないすったもんだがあって、何とか夕方の便に振り替えてもらえました。
西洋人の強引さは癪に触ることが多いけど、この時に受付に居たアメリカ人に教わった強引さは今でも感謝しています。
無事にカンボジアに着いたけれど、この度は観光地を訪れ感動した部分以外最悪でした。
路上でバイクタクシーともめて人だかりができるわ、大使館にお世話になるわ、カンボジアの安宿の受付嬢から迫られるわ、炎天下でも震えるほどの熱が出るわ… で、現地の医療レベルが不安過ぎて急遽帰国。一旦無事に帰宅するも一転、3日間高熱にうなされました。恐らく何かの感染症。
負の連鎖③ 謎の地震
20代半ば、アルバイトで貯めた貯金でカナダに語学遊学をしていた私。
一旦予定の寮に手違いで入れなくなり、文句を言って同じ経営者が持つホテルに住まわせてもらっていました。
負の連鎖①②を経て、どことなく2月14日を警戒するようになり、以来どこにいても地球上の全てのバレンタインデーを避ける意味で日本時間2月13-15日の外出や予定を控えていました。
当時の彼に「今夜はおしゃれなバーで飲もう」と誘われるも事情を話してホテルに居ることに。
「そんなこと信じてんの?」と笑われたけど、連鎖①②共に身体にダメージをくらってるから避けれるもんなら避けたいと真剣に思っていました。
彼には当日仕事を入れてもらい、別日に出かけることにしました。
彼を見送り1人ベッドに寝転んで雑誌を読んでいると地響きのような音とともにホテルが揺れました。
工事にしてもそんな様子は近所を含めて無かったし、地震の揺れに似ている気もするような。
ロビーに電話をしても繋がらなかったので、何か情報を得ようと直接向かいました。
すると既に人だかりが。みんなが受付のお兄さんに「何があったんだ!」と詰め寄っていました。
お兄さんの見解は「地震」。
すると「モントリオールなんて少なくともここ50年地震なんて無いんだ違うだろう」と返す人も。
とりあえず避難指示も何も無いのは明らかなので部屋に戻りました。
不思議なのは当日のテレビも翌日のニュースもどこもとりあげていなかったこと。
でも人だかりはあった訳では、私の勘違いではないはず。狐につままれたよう。
部屋に戻ってため息… 大人しくしてても、こんな騒ぎに巻き込まれるの?
負の連鎖④ 愛の国で閉店ガラガラ
20代の後半にイタリアで語学遊学をしていた私。
負の連鎖①②③を受けて頑なに「この3日間はどこにも行かない!」と当時の彼に例の理由を説明しました。
彼は「どこかで変えないとずっとそれに苛まれて生きるんだよ。今回は僕だって居るし、一緒に出かけよう」と説得してくれました。
彼のメインプランは少し遠出をして“アグリツーリズモを提供するトラットリアで美味しいイタリア料理”でした。さすが、地産地消大好きな私のツボを押さえてる。
直前までゴネて少し遅くなったけど、車で出発しました。
思ったより道が暗く、ここかあそこかと迷いながらもやっとポツンと一軒家らしき物が見えてきた。
「ん、暗くね?」
彼の少し焦った表情を見逃しませんでした。
明らかにやってないよねと取れる店の前の道に車を停め確認に行く彼。
戻ってきて車に乗った瞬間、
彼「信じられない… 休業だって」
私「待って、事前確認とかしなかったの?」
彼「バレンタインにトラットリアが休みなんて考えられないし」
私「そのはずが休みだからね、だから言ったじゃん。本当にツイてないんだよ。よりによって愛の国イタリアでバレンタインにレストラン休みって。傷口に塩塗られた感じ…」
彼は平謝り。私は特にキャピ²期待していたわけでもなかったので「もういいよ」と伝え、結局彼も言ったことのある別の近場のトラットリアに。そこも美味しいけど、もう味は覚えてない(笑)
負の連鎖④ 地震
昨夜の地震。
カレンダー見て「今年も来たか… 3日間は大人しくしとこ」と思ってました。
そもそも不要不急の外出は控えているので家に居て仕事か勉強してるだけ。
でも連鎖③のように、大人しくしてて被災ってこともある。でも言い出したらキリがないから、とにかく家にいようと決めました。
23時過ぎ、そろそろ寝支度でもとコタツを出ようとした時、直感的に察知するあの気味の悪い揺れ。
よくある小刻みな揺れではなく、10年前の14時46分にグァーンと続いた緩い横揺れに似てる。
思わず「怖い、怖い」と犬を抱えるしかできず。
すぐニュースで確認すると東の方に震源地を確認。
津波が来なかったことに安堵したけど、あの胸騒ぎは本当に嫌なものです。
しばらくニュースを見てから寝床についたのは2月14日午前0時すぎ。
おっと、そう来ましたか…
信じるも信じないも
毎年この日に何かあるわけではなく、大きいのはこれくらい。
事前に回避しようと会社を休んだこともあります。
何も起こらなかった年もあるから、どこかで偶然だとは思ってはいるけれど、やはり気にしてしまう。
来年はどうなんだろう?
