海外就職と語学力(2)

海外就職志向はあった?

無かったです、この時は。
学生の頃は少しありました、だから語学遊学も行ってます。
でも外を知れば知るほど「外国人が語学で現地人に敵うわけがない」、だから「外国で”仕事をしてその国に住む」という淡くぬるい期待は消えていきました。
海外に出るほど日本の良さに気づき、母国愛が強くなってきたのもあります。
遊学程度に半年が、言葉も学べて友達も出来て、気分転換にもなっていいな…という考え方が出来上がっていました。

それでもイタリア滞在中は、いつも行くBar(エスプレッソを出すところ)のBarista(バリスタ)(エスプレッソを作る人)を見て”バイトがてらBaristaになったらイタリア語と美味しいエスプレッソの入れ方を覚えれていいなぁ”と思ってました。実際に仕事の話が来てなかったら階下のBarで頼みこもうと思っていたくらい。

英語を話す人口の分母は世界的に見て大きいのは周知の事実。
現地人でも無職の人がたくさん居るわけで、そこに何の技術も無い1人の日本人が行って願い通りの仕事にポンと就くのは難しいでしょうと信じていたのです。

海を越えてしまうこと

カナダで働きたい、でも英語もフランス語もできない。イタリアで働きたい、でもイタリア語できない。
だからやっぱり海外に行くのは諦めよう… 普通の思考回路だと思います。
だから私も語学遊学を経ても、就職しての長期海外居住志向はありませんでした。

抜きん出た理系的技術や、特定の分野で長けた経験を持たない、語学もネイティブ並みでもない、そんな私が海外に行って仕事して給料をもらう?と思っていました。

現地に行ってしまう

英語圏以外の国であれば、

– 英語がある程度出来ること
(+現地語があれば、そのレベルはどうあれ利点のみしかない)
– 社会人としての常識と経験がある

これだけでも海外就職が出来る可能性は十分あるのというのが、今振り返って私が思うことです。

英語をちょっと話せる文系海外求職者は、座って待ってるだけで仕事が来るような身分ではないです。
理系の人たちの強みである特定分野の技術や知識が欠けている文系勢が補えるのは語学力ではと思います。
だから着いたらまず語学学校に通い始めるなり現地人のLanguage Exchange パートナー(語学学習相手)を見つけるなり、語学習得つまりコミュニケーション手段を磨く。
それとほぼ同時に現地の企業にコンタクトを取る、面接を取りつける、居住基盤を整える(住む地区、アパートを決める)だと思います。

今は現地に行かなくてもSkypeやFaceTimeなどバーチャルなりにも面接が出来ます。
私も経験がありますが、出向いて対面で行うのと何の遜色もなく出来ました。
語学に強みがあるのであれば、出発前にこのステップをこなしておければ早いです。

ただ私は採用も見ていたのですが、正直なところ同じような能力の人が候補者で2人残った場合、
– 既に現地に住んで居て仕事を探している人
– 日本に居て面接の結果次第で現地に渡るつもりの人
の選択肢の場合、前者の人の方を選び易いかなと思います。
採用側からして渡航費といった経費面、既に現地を滞在して見た上で”ココで働く”勘がある強みがある気がするので。

前に他の日系企業の人事の方が「応募者にはスペイン語をスペインで学んだ派と中南米で学んだ派が居る」と仰っていました… 確かに。
するとスペイン派は言葉が出来ても採用後にメキシコの治安や中南米ラテン文化に疲弊し、脱落する事があるそうです。
意外でしたが、私もイタリアに居た経験があるので、分からんでもないなと。
これも現地入りをしている人の方が実働に円滑に就ける利点の一つでしょう。

今は30代前ならワーキングホリデーができる国も多くあります。
30代以上なら、お金はかかりますが以前言及した専門の斡旋会社で無給のインターンで足がかりをつくるのも一案でしょう。

そして語学学校に通い生活感覚を見極めつつコネを探す(近年、大半の国は学生ビザで就業は禁止のはず)、観光で来て飛び込みで履歴書を持ち込む(帰国後の査証サポートを取り付ける)… など、簡単に10年くらい前と比べても、門戸は広がったと思います。

つづく

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