IKIGAI/生きがい(2)
仕事に求める事
日本に居る友達曰く、私は自分のやりたい事を突き進むタイプに見えるそう。
分からんでもない… でもさすがに大枠のプランは立ててます。
目標を立てて挑戦と達成をするのは気持ち良いもの。
それでも人生なんて何が起きるか分からないので、調整や修正に柔軟性が高い立て方をしているとは思います。
海外就職の観点で言えば、イタリアもメキシコも機会から近づいて来た感が否めませんが、いずれの機会に巡り合った起源は
– 語学習得
– 英語(学んだ言語)を使える仕事に就く
の2つが一貫していた事だと思います。

もちろん思い立って翌日に出来るでもないです。
東京で新卒就職したもののすぐ退職したため世間のレールから外れた私は、実家に戻りまず稼ぎの良いパチンコ屋さんホールで遅番のアルバイトを始めました。
風俗営業扱いなので、風俗嬢とよくからかわれもしました。
当時は派遣も新卒ではスキル不足で採用してもらえない時代で、既にイタリア遊学を目指していた私には貯金への近道が高時給のパチンコ屋さんでした。
残業も無くシフトも基本固定なので、いざ始めてみると語学独学の時間がとれて良かったです。
遅番で深夜まで働いた翌日、出勤前にNHKラジオ講座や図書館で勉強は大変だったけど、遊学という目標があったからツライ記憶が一切ありません。
第三者目線でいえば「上京させてもらって四大まで出ておいて何やってんの」です。
これは本当に親に申し訳なかったです。
逆に「だからこそ埋もれない」と言う自分への戒めになっていたし、上記2つの核はブレなかったのだと思います。
片やメキシコで周囲を目をやると、何をしたいかよりもお金が一番なようです。
転職する人を見ていると、良い額さえ提示されれば中身にそれほど拘らないから乗り換えが早いです。
給与と仕事内容が割に合わないと思うとすぐ変える。
定職率は低いし、スキルを磨く機会も少ない印象。
人事採用を見ていた時に驚いたのは、面接後に採用を伝えたものの辞退した新卒者や、新卒で採用して1年にも満たない社員が退職理由に「仕事内容と提示額が見合わないと思う」と言ってきたこと。1回だけではありませんでした。
引き留める価値はないのでそれで終わりですが
「実務経験無い人に言い値で払えませんよ…」
と頭を抱えつつ、そんなに払う他社も凄いなと思ったものです。
ただ新卒や経験値の浅さをわきまえて続ける人も居ました。メキシコ人の名誉の為に言及しておきます。
仕事に”努力と忍耐”は存在しない?
お金を稼ぐことは大事だし、否定もしません、私だってお金大好き、貯まる分には拒まない♪
「やりたい事をしようにもお金が無い」とよく周りで聞く言葉。
でも週末にパーティの写真や遠出の写真、Facebookに頻繁に上げてるよね。
「仕事がなかなか見つからない」もよく聞く言葉。
でも履歴書送ってないよね。
「お金が途切れても、目標への準備に少し時間を取ってみては?」と言うと「アナタみたく語学得意じゃないし」と言う。
いやいや、同じ職種じゃなくていいよね。
語学も生まれつき持ってるわけじゃないからね。
少し楽しいこと我慢してお金貯めたり、日本でのキャリア止めて海外に行ったり、私なりに犠牲にした部分もあるのよ。その結果、他の国に住んで友達が増えて、趣味だった言語が仕事になってるのよ。
もちろん、周りの数人を挙げて「全員がこうだ」とは思いませんし日本人だって十人十色。
しかし、だ。
メキシコ人を見ていると、生きがいというより、仕事に努力や忍耐(辛抱)って概念があまり無いのかなと感じる事が多々あります。
渡墨以来、受身な生活を送って来たわけですが、最近の私はフリーランスに舵を切ったのでまた少し努力と忍耐期間に入っています。
私にとってこれは次にやりたい事の準備期間だから、メキシコ人の親友に言われるまで「人生を楽しんでいない」と見えているとは思いもしませんでした。
何回も準備期間だと説明するのですが「余計なこと考えすぎだよ」と言われる私。
何十年も努力と忍耐期間をするつもりはないけど、今日「フリーランスになる」と言って明日入金があるものでもないでしょう。
だから種まき期間と思っているのに、どうにも理解してもらえないらしい。
やりたい事を成し遂げるという事に対して、メキシコ人は”待つ” “様子を見る” などが出来ないのではないか?と思い始めたのです。
【つづく】
