家探し(3)

ビビッと来た物件

*2013年の家探しのお話です

移動はほんの5分程、すぐ内見先に到着。
ピンク色で、入口には守衛室のような場所があり、外から見える車庫と中の車庫へ通づる自動扉があります。
基本入居者全員1台は停められるとのことでした。
門を抜けて入って分かったのは、外観は1棟のアパートだけれど、中庭があってその向こうに4棟ほど戸建があり、真ん中にドンと鎮座して居る豪邸が大家ということでした。
外観からは見当がつかない、かなりの大豪邸でした。
中庭にはプールと噴水までありました。

ピンポン押して「Señor(セニョール(紳士))居るのぉ?」って…人がまだ住んでいる物件を紹介するつもりのようです。
「とりあえず電話では見て良いって言ってたから入りましょう」
と鍵を開けて彼女に招き入れられて”え、入っちゃうの?”と思いつつ内扉を開けると… 足の踏み場が1cmたりとも無い散らかりようでした。

彼女も一瞬絶句していましたが
「これは… でも、彼は後2週間で退去だから、そうしたら掃除して修復箇所も診て、完全な状態にします」
と慌てて言い加えてくれました。

冗談抜きで“Señor孤独死してるんじゃないの”と思いながらも“もし綺麗なら”を想像しつつ見る踏み入ると、TV部屋+ダイニング+マスタールーム+ゲストルームの4部屋にトイレ2部屋、台所と洗濯部屋、木製のリクライニングチェアが置かれた広めのバルコニが中庭に面して一つあるのが分かります。
でもって大家はこの女性、バルコニーの下に見える豪邸は彼女の家なわけか…。

でも、お高いんでしょう

これはMXN$10,000かなぁ… 値段を聞いてみました。
「$7,500よ。プールも冬は2週間に1回程度だけど夏は頻繁に掃除するし、守衛は車を毎週洗うの。一人で何か不安があれば、夜中でも私達を呼んでくれればすぐ駆けつけるわ」

予算かなり越えてる。
値段交渉を始め、結局MXN$7,000まで下げて貰えました。
でも、これは相手も想定内でしょう。

私はこういう時にPro&Con(良い点&悪い点)を挙げて考えます。
Pro(良い点):
・高級過ぎず逆に温かみのある作り
・9割揃ったインテリア、内装自体に申し分はなく、ダイニングテーブルやベッド土台など購入不要
・1階でもないし、車庫は前面扉ではなく柵型で行動が見えてしまうけれど、構造的に外からどこが対応する部屋かが分かりにくいから、空き巣が見当を付けるのも易しくなさそう
・地域の良さと大家が同じ敷地に居るのも安全上悪くない

Con(悪い点):
・車庫が縦型で、私と対になる主は車が無いアメリカ人(毎日会社の送迎で出勤、週末はタクシー暮らしの駐在員らしい)
・もし次の主が車所持者だったりすると、お互いの出勤時間で相手の出し入れに付き合う必要がある事。
・基本私は遅帰宅・早出勤だったので、多分縦型のうち道路側で大丈夫だろうとは思うも気にはかかる
・予算大幅越え

保留日数5日間をもらい、野球帽に家に送ってもらいました。

うーん…
当時まだ街の中で現地人の友達がおらず、上手くこの町の情報収集が出来ませんでした。
生活も始めたばかりで物価や公共料金の目処もイマイチ不明。

物価が安いだけに$7,000はカツカツな節約をを強いられる程ではありませんが、この街と現地同僚の給料からすると高い方なのは間違いありませんでした。
当時の私は日本円で換算すると手取りは日本の大卒新人OL程度、でもメキシコ人ほど安くもない。
とはいえ、日本に戻る事を前提として渡墨した私は常に円かドルでバランスを考えるので… 正直高い。

でも見知らぬ土地で、慣れない仕事で、ここで好きなもの選ばなかったら息抜きはどこでする?

「借りることにする」

そう返事をしました。

つづく

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