FM2とFM3/滞在許可証(1)
私はFM3を2013年の渡墨時に初めて取得し、2014年に更新しました。
その後2017年にFM2へ切り替えています。
従ってその当時の現地採用者の話であり、最新の情報と方法はご確認下さい。
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渡墨直前の手続き方法変更
メキシコに限らず外国に滞在するにあたって、収入を得るとなるとFM2 または FM3が必要になります。
FMはForma Migratoriaの頭文字で直訳すると”滞在許可”といったところでしょうか。
FM2にはFM3を4年保持する事が条件になるので、最初は皆FM3の申請から始まります。
ちなみに、最後につく番号の違いはこちら。
2=永住権
3=労働許可
私の社長は2012年に渡墨していて、当時は観光入国でメキシコに入国して国内の移民局でFM3に変更するのが基本でした。
私も同じ要領で準備していた訳ですが、渡墨直前で法律が変わり、FM3取得の事前手続きはメキシコ国外で済ませる事が義務づけられました。
基本的には母国(居住国)のメキシコ領事部で書類申請と面談を経てFM3取得の許可番号や許可書類を獲得、これを国外での事前手続きというか。
この事前手続きの結果発行された番号や書類とパスポートに貼られた査証シールを、渡墨後に滞在州の移民局に提出・正式申請をし、晴れてFM3をもらうという流れだったと思います。
出発前に”何か漏れは無いかなぁ”とネットで情報確認をしていた時に見つけたこの法律変更。
既に航空券もあり、私の出発日まで1ヶ月を切っていました。
慌てて在日メキシコ大使館の領事部に電話をし、面接の日程を問い合わせると1ヶ月半先まで埋まっているとの事でした。
就業先の会社もこれから立ち上げるわけで最初に来た外国人は社長と私一人。人事部長も能力ではなく“今後人を採用するのに彼がタイトル無しでは見栄えが”…が理由で仕方なくつけた役職。
社長に連絡をすると誰もこれを把握していなかったようで、早速現地の日系企業で同じようなケースがないか問合せてくれました。
すると社長が某大手企業から「“メキシコ国外で取得”が新規則で”母国に限る”ではないので渡墨してから在米メキシコ領事館で取得できるらしく、しかもそれなら1日で全てが終わるので早いです」との情報を得て来ました。
私は渡墨後すぐにアメリカ行きを言い渡されました。
ロサンゼルスでFM3申請
「ここから一番近いヒューストンかダラスの在米メキシコ領事館に」と社長は考えていたようですが、この“アメリカで手続きをする”はまだ例が多くなく、実際に行った人達は皆ロサンゼルスの領事館で行ったという事で、確実性を取って私もロサンゼルスの在米メキシコ領事館で行うことになりました。
2泊3日しか無かったものの、初めてではなく土地勘もあるので、朝のうちサッと済んでも時間が潰せるので私にも都合が良かったからです。
出発前に書類を用意した人事部長に予約日時を聞くと「予約不要だって」との事。
「査証関連の手続きがそれは無いでしょう?」と何回も確認し直すように促しましたが「弁護士がそう言うから間違い無い」の一点張りでらちがあかず、半信半疑で出発をしました。彼を飛ばして弁護士に私が確認というのも失礼かと思いそのまま発った私、これがいけなかった…
飛行機… 乗り継げず
ヒューストン乗換えだったと思うのですが、出発時点で大幅な遅れがあり、乗換地に着いた時点で乗換えがほぼ絶望的。しかも夜の便でした。
乗換地に到着後すぐに乗継便への搭乗手続きの列に並び、あわせて社長に「多分乗れないです」連絡をすると「必要に応じて空港近くのホテルを取るなり、翌日便にするなりアレンジしても構いません」と連絡が来ました。
何せ経費削減と常々強く言われていたので、日当内でロサンゼルスでに予約できたホテルは治安の悪い地区だけでした。
当初の便でも到着時間が少し遅い事を懸念していましたが、この乗継地の遅延で確実に同日中には着かない事が決定です。
どのみち当初の時間で着いたにしても真っ暗なわけで、(信用のある)空港タクシーで到着地まで向かうのだから、この暗さなら何時に乗っても同じだろうとホテルは変えない事にしました。
ホテルは領事館へも近かったので、今から数時間の滞在のためにホテルを探してチェックインをして早朝にチェックアウトも面倒だなと。
しかし空港近くのホテルに泊まるお金が一存で出せるなら、安全の為に昼着の便かもう少し治安の良い地区への宿泊へ変えるという案に事前に行き着いて欲しかった…。
乗継便への搭乗手続きとは行っても、経由地はアメリカなので入国手続きから始まります。
今はだいぶデジタル化されて早くなりましたが、当時は全ての手続きが遅い。
並ぶ列に、案内係のような人が来て「次の便は何時?」と恐らく間に合わない人は優先しようと言う意図で聞いていたと思うのですが、ほぼ全員がすぐにでも乗り継ぐか空港泊は避けたいわけで「聞いて何ができるんだ?」怒鳴り返されていました。
夜遅く、ほとんどの人は次の目的地が大都市でもないため、同日中の代替便の可能性がありませんでした。
今回の遅延は宿泊代が出る対象でもなく、並んでいる内に連帯感が生まれ「乗継げない場合は近くの空港ホテルに団体で泊まって皆で割り勘をしよう」となりました。
そうこうしている間に、やはり大半が乗継便に乗れない事が確定しました。
入国手続き終了後、代替便の手続きのカウンターに行きました。
すると「ロサンゼルス行きならまだもう1便あってそれに乗れるわよ」と…。
即新しい航空券を発行してもらい、私の後ろに並んでいた刹那の仲間たちに「ロス行きはまだあるから、それにしたわ。ごめん! 良い旅を!!」と伝え搭乗口に走りました。
【つづく】