海外就職と語学力(3)・完

“完璧になってから” “準備ができたら”っていつ?

語学学校に通って居た頃の事です。
こんな人たちに出会いました。


せっかく海を越えて来たのに「まだ文法が完璧じゃないし」「きちんと話せるようになってから」と言って黙々と家に帰ってからもこもって勉強する日本人を現地でよく見ました。
見ているとペラ²ではないけど、買い物だって街歩きだって出来てるレベル。


「全然話せないっす」って本当に話せない人も居ました。特に技術者や他の強みがあるわけでもなく。
謙遜を美徳と思ってるのか、海外に住みたい人のその発言に何を言えばいいのか分かりませんが、”ただ住んでみたい+お金はある”という背景なら一番羨ましいパターンです。


「全然話せないけど、xxx系音楽が好き過ぎて来た」って趣味の音楽が高じて来た人。
その人は、確かカタコト的で文法も弱いのですが、夜になるとライブハウス等に一人で繰り出しては現地人と友達になってる。
だから理解力は高くて、指摘もすぐに直せるとなおさら英語の精度が驚異的な速さで上がって行きました。

③の人を見て、参考書で勉強よりも外に出てネットワークを作る事の効果を見た気がしました。
今頃どうしてるのかな?
語学学校はいつも遅刻(ライブで夜更かし)、好きな音楽系統のファッションなのか、ジャラジャラ鎖がベルトについて居て、彼が登校するとその音で分かる。
見かけは厳つくて一匹狼的でしたが「なぜ学校来てないのに英語が話せるのか?」という質問からよく話すようになり、実は同県民だった事が分かり、可愛がって貰いました。

語学強化と”同時に“就職活動を始める”のが大事

またイタリアで働いていた時の同僚にオーストリア人とイギリス人とアメリカ人がいました。
仕事の合間に時間がある時は雑談をしていましたが、だんだん私もイタリア語に慣れてくると、彼女達のイタリア語特有のRの発音と単語のイントネーションがおかしかったり、文法も接続法が正しく使えてなかったり等に気づく様になりました。

かく言う私の入社時のイタリア語を理解できた人は少なく、初日に話しかけた同僚が皆キョトンとしていたのは、今も皆の笑い話です。
それでも語学学校での私は、4ヶ月でイタリア語の一番上級クラスに居た優秀生だったんですけど実生活で使えないとメンタルにパンチくらった日です(笑)

入社後間もなく、社長が私の様子を見に店舗へ来た時に聞きました。
「私のイタリア語が想像以上に通じなくて落ち込んでいます… 何で、合格出来たんでしょう?」

社長曰く、
「基本的な会話は出来てるから、あとは職場で嫌でも磨かれるでしょう。それにいざとなれば英語があるし」

なるほど、私的にはダメかもでも社長的にはOKなんだ…。

この時、自分で”もう少し上達してから”と自己計測するのではなく、どんどん面接はしていくべきだと思いました。
履歴書を送ったり、今ならLinkedInで応募したり、応募はしていないけど気になった会社に問い合わせたり、まず相手との接点を得ること。
接点をくれるという事は、貴方が”私の語学はまだまだ”と思っても先方からしたら選考の余地があるという事です。
(面接にさえ漕ぎ着けられないのがあまりにも続くなら、考え直したら良いと思いますが)

当たって砕けろ

語学習得は大事です。
実生活や職場で日々語彙を増やしていくのは、”使う頻度=必要性”でもあるので、参考書でいつ使うか分からないフレーズを叩き込むより手っ取り早い。

語学が”完璧になってから”、一人前の “準備ができたら”… どれくらいを目指しているのでしょう?
ネイティブ並みのこと?それ、待ってるうちに機会をどんどん逃がしてると思います。
自分が始点へのレベル設定をしてしまうと、特に日本人は他の国民より完璧主義らしく”海外就職活動始めるぞ!”にさえ辿り着かない気がします。

思いが強いのにまとまりなく徒然と書いてしまいましたが、これまでの経験で感じたのは

– 英語がある程度は出来ると良い
– 日本で社会人経験があると良い
– 語学学校で優秀でも現地社会で使えるわけじゃない
– 就職出来るかどうかは自分だけの目線ではない
採用通知を出してくれた → その語学力と経験でとりあえず良いんだ

だから、お金貯めたら行っちゃいなよと。

私は海外転職活動を自発的にしてこなかったので「お前が言うな」とも思われるでしょう。
私も無理だと思いこんでいた側でした。

今の姿は、つまり、日本で悶々としていたら起きなかったであろう現在です。
イタリアに居たから機会に恵まれて、そこから派生した経験が結果的に私を海外就職に結びつけたと思って居ます。

海外就職をしたいけど語学が達者ではないから…という思考で悶々としている人たち。
「自己リミッターを掛けず、まずは出て行ってみなよ」

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