海外就職と語学力(1)

「その国の語学が出来ないと海外就職は無理ですか?」

よく相談を受けるので、思うところを綴ってみたいと思います。
もちろん現時点での私感、ということで。

“語学力を気にして海外就職を諦めるのはもったいない”

海外就職は”語学が全く出来なくても諦めるな、行ってしまえ”という極論ではなく、語学をカバー出来る職歴や経験があれば、少し話せる程度(レベルが少々低くても)で海を越えてしまい、滞在し生活に慣れながら語学も追い付く勤で十分では?ということです。

労働条件やビザといった諸々の懸念もありますが、基本はこれが私の考え。

理系や特殊技術を持った方は、言葉ではなくて専門用語でなんとか通じ合えています。
図解やジェスチャー、一番大事なのは”伝えること・伝わること”だと思います。

その基盤として、その国の語学もしくは英語があれば強く「百利あって一害無し」(←造語)と思っていますし、実体験済です。
だから「英語も話せない、全くその国の言語も話せない、特殊技術や職業経験もない。だけど旅行や留学でなくてすぐに働きたい」と相談されると私も「まぁ、落ち着いて」となだめます。
お金はかかりますが、無給与のインターンを斡旋してくれる会社もあるので、海外で就業経験を半年くらいしたいだけなら、これもアリでしょうね。

1回目の海外就職(イタリア)、Keyは英語

かく言う私はどうだったのか?と言うと、これまで海外で計3企業に勤めました。
今回の2013年からのメキシコ採用の話は2社目でした。

1社目は、イタリア語を学ぼうとフィレンツェで語学学校に通っていた2002年。良い経験だからと半年だけ現地の企業で契約社員をしていました。それが初の海外就職です。契約書に初めてアルファベットで署名をした時は我ながら「おぉっ!」と感動したものです。

その会社は顧客の6割がヨーロッパか北米、2割がイタリア、2割がアジア(主に日本人)でした。
“半月前に日本人を初めて雇ったけれど英語が全く話せない事が判明したから、急遽英語が問題なく話せる日本人を追加募集する”という会社が、語学学校のクラスメイト経由で私にコンタクトを取って来ました。

イタリアでの就業なのに、採用の要は英語力でした。

当時の語学・職歴背景
イタリア語: 日常会話程度(現地語学学校5ヶ月程度)
TOEIC: 700-800点、カナダに2回(2ヶ月+5ヶ月)の遊学経験があり、英語は日常会話には問題無し
就業経験: きちんとしたオフィスワークの経験はなし
     東京の四大卒後、見事にレールから外れて地元のパチンコ屋でフリーター約3年

2回目の海外就職(メキシコ)、Keyは英語

それから10年ほど日本で平穏に暮らしていた私に、メキシコでの採用の話が来たのが2012年の5月でした。
2005年頃かしら、私のアメリカ人の親友が同僚として紹介してくれたのが、今回のオファーをしてくれた方の奥様でした。その後、年1回くらいでお茶したり、イベントで顔を合わせたり。
そして2012年の5月、「旦那(日本人)がメキシコに赴任することになったから、この町を離れることになる。送別会がてら一緒に食事でも」と連絡が来ました。二つ返事でOKして、送別会まであと数日というタイミングで彼女からメールが来ました。

「彼が最初の日本人の採用に悩んでいたから、あなた(私)を薦めたの」

理由は、
“メキシコ工場の最初の取引先がアメリカだから、Nomadista(私)はスペイン語より英語が出来ることが強い”
“海外居住経験(カナダ・イタリア・メキシコの語学遊学)があるから、異文化に抵抗が少ない”
でした。

メキシコでの就業なのに、採用の要はここでも英語力、そして遊び半分ながらも海外に住んだ事があるという経験でした。

当時の語学・職歴背景
スペイン語: 日常会話程度(現地語学学校5ヶ月程度)
TOEIC: 2012年受験、予習無しで900点
就業経験: 計10年ほど、英語圏での就業経験は無し。
     日本の大手企業や外資系を派遣社員として渡り歩いて居てビジネス英語は特に問題無し

つづく

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