家探し(1)

家探ししないと

*2013年にメキシコで初めて家を探した時のお話です。

ヒョイとスーツケース2つ、バックパック1つ、段ボール箱2つで上陸、それ以上の準備はさほどせずに来た私。

“仕事ありきの渡墨だからまぁ追々なんとかなるでしょう”と1人旅より準備せずの国移動でした。
気づけばあれから5年…「短くて1年、長くて3年かな」と親に言ってたのに、相変わらずラテン生活しています。
イライラすることも多いけれど、結局のところリズムに合っているようで。
 
そして今住む家はかれこれ5軒目、つまり平均1年1回引っ越し!?

1軒目は当時の雇用先が用意してくれた寮のようなものでした。
「住みたいだけ住んで良いよ」と社長も言ってくれて、地域も施設も良く、賃料もタダなので素晴らしい申し出でした。
ただ工場稼働に伴う技術駐在員さんが渡墨後の住居として借りていたので、私の部屋以外に2部屋あり、基本は誰かと同居になります。
従って「早いところ家探しは始めます」と伝えてありました。
 
実際、到着翌週にはアメリカ支社からシステム担当の2人がやってきて3人で同居生活が始まりました。

アメリカ人同僚とのシェアハウス

毎日筋トレに行き、ポパイのような腕にガッツリとタトゥーが入った二人でした。
社長に「普通の女子なら引くぞ」と言うと「でも貴女なら大丈夫でしょ」と… 確かに。

3人で買い物に行ったり映画を見たり、夕食から洗い物までしてくれて、夜まで色々語ったり… スペイン語がまだまだだった私にとって英語で言いたい事が言える時間があるのは、ある意味で息抜きでもありました。
バックパッカーの時はYH(Youth Hostel/安宿)で他の旅人と2段ベッドを分け合うような生活を月単位でしている位なので、他人と同居に対して戸惑う事もなかったし… 社長、見事な洞察力。
 
でもやはり仕事のオンもオフも同じ人と四六時中一緒というのは辛いです。
仕事でギクシャクする事もありましたし。
だって、こっちは事務所で朝からWork(仕事)、この2人はWork-out(筋トレ)…何しに出張に来たんだ?
一緒に暮らしているので、出張中の実働時間の少なさが目につく。
自分が受け入れたとはいえども、待遇の違い始めイライラしてくるんですよ、私心狭いから(笑)
 
と言う事で、初の家探しを行う事に。

何から始めよう…

現地人の同僚に情報収集手段を聞くと

1.コンビニ等で売られている売買案件の雑誌
2.不動産屋ホームページ
3.飛び込み

1は、大体問い合わせする頃には物件が無い事が多く使い物になりませんでした。
2は、情報の更新が頻繁ではなかったり、問合わせの釣り餌用なのか、来社を促され問合せとは異なる高めの物件を案内される事が多かったです。

一番勧められたのが3の飛び込みでした。

つまり、住みたい地域に行って「賃貸物件」のサインがかかった家の前で、掲載されている電話にかけます。
そこで大家と簡単な条件(間取りや家賃)を聞き、興味があれば内見日時を設定します。
近くに大家がいて、そのまま見れることもあります。

ただ、当時の私のスペイン語はその域にはまだ、車もありませんでした。
そこで、スペイン語と車と言う強力な手段を持つ社長の奥様(友達)に同行してもらいました。
彼女には、自分達が住む地域を勧められましたが、家賃補助も日本円給与も無い現地社員の私に
「新卒で広尾に住め」と言っているようなもんで、到底無理。
スペイン語がペラペラ、工場地選びに数年、住居選びも自身でこなした社長(日本人)に、地域ごとの特色を聞いて大体住めそうなところの目星をつけました。

例えば、当時寮があった所は街の中でも閑静なところでしたが、家のサイズがバカデカいし、見かけるのもたまに犬の散歩をする人くらいです。
聞くと、やはり高級住宅街に属する地域だそう。
うーん、家族住まいには閑静な住宅街も良いのだろうけど… 予算も家の大きさも私には合わないし、僅かながらも人の動きが合って地元の人と触れ合える地域がいいと思うようになりました。

飛び込みで不動産屋へ

2-3件ほど社長の奥さんが見つけてくれておいた物件も見ましたが、やはり高いのです。
今は需要が高まり高騰しているので、思い返すと今となっては破格の安さですが。
それにメキシコシティのように単身居住者が多くありません。
地元民であれば結婚まで親と同居、他州からなら若い人はシェアを選択するようです。
見せてもらった部屋はどれも単身の私には大き過ぎました。

早速とある週末、飛び込みを実施すべく彼女に迎えに来てもらいました。
が、一軒もめぼしい家が見つからないまま夕方になってしまいました。
んー… 「続きは次回にする?」と彼女も言ってはくれますが、またこんな事に付き合わせるのも気が引けます。

そう思ったところに、インドを彷彿とさせる外観の事務所のような建物が目に入りました。
私の好奇心アンテナが咄嗟に「止めて!!」と叫び、車を止め2人で恐る恐る近づきました。
不動産ってスペイン語で書いてある。

彼女に「入っちゃおう」と言い2人で「Buenas Tardesブエナス タルデス(こんにちは)」と扉を開けました。
入るとすぐ目に入ったのは”Ganeshaガネーシャ(象頭の神)“の置物、屋号もGanesha… なんなの、この怪しさ。

もうこれだけ見てココにお願いしたい(笑)

つづく

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