FM2とFM3/滞在許可証－永住権へ－(4)・完

私はFM3を2013年の渡墨時に初めて取得し、2014年に更新しました。
その後2017年にFM2(永住権)へ切り替えています。
従ってその当時の、現地採用者の話になります。
**********

永住権への切替え

2013年の春にFM3(労働許可証)を1年期限で取得、翌年の春に3年期限で更新しました。
期限が近づき勤め先の弁護士に更新手続きを委託すると「次は強制的にFM2(永住権)だよ。でもこれで更新も無いし、費用も一回切りになる」と言われました。

「じゃぁ、戸籍謄本とか卒業証明書とか要るの？」と聞くと「いや、何も要らない。委任状に署名くれれば、終わり」

え、永住権ってそんなに簡単なもの？

いずれにせよFM3で4年滞在するとFM2への切替は義務のようなので、署名をした委任状と写真を弁護士事務所に置いて来ました。

指紋採取

従って、特に手続きのヒントも何も無いです。
FM3の時と同様に、しばらくして指紋採取に呼ばれたので弁護士事務所のインターン生と待ち合わせをして移民局に出向きました。

インターン生が「メキシコパスポートも取れば？」と言うので「ほとんどが3ヶ月くらい好きな時に大体の国へ滞在できる日本パスポートから、なんで隣国アメリカさえ壁越しになるパスポートにダウングレードするのよ」と笑いながら答えると受付の現地女性も首を縦に振っていました。

両手の指全部の指紋を押印しましたが、朝イチで行ったのでここまでで人も少なく30分も待ちませんでした。
呆気ないと言うか。

FM2のメリット・デメリット

冗談を言いながらも少し気になって受付の移民局スタッフに「ところでFM2とメキシコパスポート取得(帰化)の違いは何ですか？」と聞きました。
2人居たのですが、顔を見合わせて「選挙権…かな」と自信無さげな回答。

今年は大統領選があります。最初の頃は「選挙に行かないのに文句言うのもどうかと思うよ」なんて現地の友達に意見していましたが、日本とは比べ物にならない腐敗ぶりは確かに行く気を削ぎます。

FM3でも家(弁護士曰くFM3の場合は財力を証明するものや追加書類が必要)や車の購入、カードの発行や年金基金の加入などは出来ますし、税金もガッツリ取られていました。
税金を思うと選挙権がないのは矛盾している気がしますが。

従ってFM3からFM2への変更の観点ではデメリットは特に無い気がします。
メリットは先にも挙げたように、更新の手間がなく費用もこれっきり、と言うところでしょうか。
以前はFM2にも更新があったと噂で聞きましたが、現時点では更新はないそうです。
「60歳でも、この写真のままっていうこと?」と聞いたら「任意で変更出来ますが別途費用がかかります」と言われましたから。

FM2(永住権)、いとも簡単に

かくして、指紋採取から一週間ほどでFM2カードが発行されました。
(受取も弁護士事務所にお任せ)

FM3が4年間問題なく所持出来ていることでFM2への切替は追加書類や面接が一切ない、と言うのが弁護士の説明でした。
規則の変更に関しては、主権を握る政党にもよるので、今は特に更新も年間何日メキシコに居ないといけないなど細かい理由はないようです。
今年は大統領選ですから、少し警戒していないといけません。

それにしても…

カナダやイタリア滞在時は、その国が好き過ぎて働きながらもう少し暮らしたい熱意が強かった。
でも永住権の前段階の就労許可証取得さえ、茨の道だったのよ。

それが、友人夫妻のメキシコ赴任の送別ディナーの場で「メキシコで働かない？」の一言に、”1年くらい海外で仕事も面白いかな”と渡墨…
メキシコ自体に特に高い熱意もなくフラッと来たら、永住権になってしまうとは。